2026.01.23 開催

【レポート】『採用×育成×定着 戦略フォーラム2025』

趣旨・目的

企業から高まる人事・総務分野のニーズに応えるため、昨年度開催した「採用×育成×定着 戦略フォーラム」は、多くの反響と学びを得る機会となりました。これを受け、本年度は第2回目を開催し、採用・育成・定着に関する実践知や現場課題を持ち寄りながら、企業間の情報共有を図るとともに、具体的な課題解決につながる取組を促進することとしました。

 

本年度は、昨年度の内容をさらに発展させ、より実践的かつ双方向の学びを重視したプログラムを編成。具体的には、NEC様による長野県の若年層を対象とした就業意識調査の報告に加え、人材確保に注力している3社による実践事例の発表、さらに参加企業同士によるグループディスカッションを実施しました。

 

本フォーラムは、参加者それぞれの自社課題の整理にとどまらず、地域全体の人材確保を「共通のテーマ」として捉え直す契機となり、地域や産業の持続的な発展につながる有意義な学びの場となることを目指しています。

 

開催日時:2026年(令和8年)1月23日(金)14:00~17:30

会  場:信州大学OVIC[オープンベンチャー・イノベーションセンター]

参  加  者:長野県内企業・団体の人事・総務担当者 計44名(14社19名+関係機関)

 

 

 

 

 

 

 

タイムスケジュール

時 間 内   容
14:00~14:10 開会挨拶
14:10~14:20 モデレーターによるショートインタビュー
14:20~14:50 NEC・AREC協働による長野県の学生・若手社員の就業意識調査報告

-最新の因果分析AIが導き出す、採用・定着のヒント-

日本電気株式会社 官公インテグレーション統括部 BluStellar推進グループ

プロフェッショナル 田村 富昭 様/主任 矢島 愛香 様/主任 水野 萌 様

14:50~15:20 グループディスカッション

テーマ:

データで読み解く若手の本音 -自社で活かせるポイントを考える-

日本電気株式会社 官公インテグレーション統括部 BluStellar推進グループ

プロフェッショナル 田村 富昭 様/主任 矢島 愛香 様/主任 水野 萌 様

15:20~15:30 休憩
15:30~16:00

15:30~15:40

 

15:40~15:50

 

15:50~16:00

実践事例紹介(3社)

「高校生・Iターン新卒採用の成功戦略について」

株式会社中村体育 代表取締役 渡辺 信秀 様

「今いる従業員をもっと大切に」

 株式会社宮下組 取締役総務部長 石塚 夕起 様

「39社が選んだ、兼・副業人材活用について」

 上田信用金庫 業務部 地域創生戦略室 推進役 矢嶋 顕弘 様

16:00~17:00 グループディスカッション

テーマ①:

データと他社事例から「これはやってみたい」と思った採用・定着の工夫を出し合う

テーマ②:

それを自社で「まず試すなら何から始めるか」-明日・今月からできる小さな一歩を考える-

17:00~17:10 情報共有ショートプレゼンテーション
17:10~17:20 総括

関東経済産業局 地域経済部 次長 室住 敬寛 様

17:20~17:25 まとめ・閉会挨拶
17:30~18:30 交流会

 

1)開会挨拶(14:00~)

冒頭では、本フォーラムを「立場や組織の違いを越えて、人事・総務に関する現状や悩み、工夫を共有する場」と位置づけ、率直な対話を促すメッセージをお伝えしました。

 

2)モデレーターによるショートインタビュー(14:10~)

続いて、場づくり(肩慣らし)として、モデレーターによるショートインタビューを実施しました。軽快な問いかけをきっかけに、「学生とつながるにはどうしたらよいか」「データ分析から、気持ちが離れる瞬間を知りたい」といった声が挙がり、会場では多くの参加者が大きくうなずく場面も見られました。

 

3)NEC・AREC協働による就業意識調査報告(14:20~)

企業の皆さまから若年層の人材確保に関する課題を多く伺う中、若年層の意識を把握することが地域企業の取組に活かせるのではないかと考え、本フォーラムでは、実績のあるNEC様の分析手法を活用し、就業意識調査の分析結果をご報告いただきました。調査は、県内10校の大学等の学生および企業の若手社員を対象に実施し、計525から回答を回収しました。 

 

 

 

 

 

回収した回答を基に、因果AIを活用した分析をNEC様に実施していただきました。

分析パターンや分析結果の一部を以下のとおり掲載します。

<分析パターン>

1-1:ポジティブ要因に焦点を当てた分析

1-2:ネガティブ要因に焦点を当てた分析

2-1:文系学部データの分析

2-2:理系学部データの分析

 

 

 

 

 

この時間では、新しい発見が得られた一方で、現場感覚とも重なる納得感のある示唆も多く、参加者にとって学びの大きい時間となりました。また、報告後には結果を踏まえたグループディスカッションを設け、理解の定着と実践への接続を図る構成としました。

 

後日実施したアンケートでは、次のようなご意見・ご感想をいただきました。

・社内の採用活動等に活かしたい。

・いつもと違う角度からの分析で非常に興味深かった。

・学生に合わせての情報提供が重要と再認識した。

 

4)実践事例紹介(15:30~)

 後半の導入として、3者による実践事例紹介を行いました。事前調整の段階から、各登壇者の取組には「考え方や手法を少し変えることで、良い変化が生まれている」という共通点があると感じており、参加者には「自社と重なる点」「取り入れられそうな工夫」を意識しながら聴講いただくよう促しました。

◎「高校生・Iターン新卒採用の成功戦略について」(自社ホームページの見直し・発信の工夫 等)

 株式会社中村体育 代表取締役 渡辺 信秀 様

 

◎「今いる従業員をもっと大切に」(ジョブチェンジの仕組みづくり・前例にとらわれない運用 等)

 株式会社宮下組 取締役総務部長 石塚 夕起 様

 

◎「39社が選んだ、兼・副業人材活用について」(事業者課題の解決に向けた外部人材活用の手法 等)

  上田信用金庫 業務部 地域創生戦略室 推進役 矢嶋 顕弘 様

 

5)グループディスカッション(16:00~)

昨年度の参加者から好評だった点を踏まえ、本年度は討議を重視した設計とし、密度の高い意見交換を目指しました。一方で、当日の進行上の都合によりディスカッション時間が想定より短くなってしまった点については、運営側として反省点であり、次回に向けた改善事項として整理します。

討議テーマは次の2点とし、データと事例を「自社の次の一歩」に落とし込むことを狙いとしました。

テーマ①:データと他社事例から、「これはやってみたい」と思った採用・定着の工夫を出し合う

テーマ②:それを自社で「まず試すなら何から始めるか」—明日・今月からできる小さな一歩を考える—

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6)情報共有ショートプレゼンテーション(17:00~)

討議後は、各グループの学びを持ち寄る「情報共有ショートプレゼンテーション」を実施しました。発表では、「ヒアリング」と「発信」が共通のキーワードとして挙げられ、若年層の実態を丁寧に把握し、魅力や情報を届ける工夫の重要性が再確認されました。

 

7)総括・閉会(17:10~)

最後に、行政の立場から総括をいただき、議論の内容を地域全体の視点へと接続しました。総括後は、当日得られた気づきが各社・各機関における次の一歩につながることへの期待を述べ、閉会としました。

 

8)交流会(17:30~)

フォーラム終了後は希望者による交流会を実施し、フォーラム内で出た論点の深掘りや、参加者間のネットワーク形成につながる情報交換の場となりました。

 

後日実施したアンケートでは、次のようなご意見・ご感想をいただきました。

・各社のリアルな課題や具体的な対応策を知ることができ、多くの学びが得られた。

・各社の取組や企業間の意見交換を通じて、新たな刺激や実践のヒントを得られる有意義な機会となった。

 

本フォーラムを通じて、人材確保や定着というテーマは、一つの組織・一つの立場だけで完結するものではなく、対話を重ねながら地域全体で向き合っていくことが重要であると、改めて認識しました。

ご参加いただいた企業・関係者の皆さまに、心より感謝申し上げます。

 

一般財団法人浅間リサーチエクステンションセンター(AREC) 尾島彩

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